東京小旅行の巻

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《上北沢編 Part2》

では、怒とうのエンディングに向かってつづきをどうぞ〜〜〜〜


昼近くになってぼくと友人はモソモソ起き出した。夕べの記憶はまだ鮮明に残っていたがわざわざ友人に話すほどのことでもないかな、やっぱり気のせいかもしれないしなと思い、結局そのことは自分の胸のうちにしまいこんでしまった。

友人も帰って行き、その晩からは当然ぼくひとりで眠ることとなる。夜になっていざ眠る段になるとやはり昨日のことが思い出されて怖くてしょうがない。情けないことにそれから2、3日は夜も電気をつけたまま眠った。そうこうするうちにその恐ろしい記憶も薄らいできて、いままでどおりのペースが生活に戻って きたのである。

その後は特にそうした現象も起こらず、いや、実は何度か「おや?」と思うことはあったのだが あえて気のせいだと思うことにして、ごく普通の日々を過ごしていた。

この家に引っ越してきてからどれくらい経ってからだったろうか。1年は経っていなかったと思うのだが、ある日また別の友人が泊まりにきた翌朝のことだ。

「浅倉、もしかしてこの部屋なんか出るんじゃないのか?」
「え?」
「昨日寝てたら、金縛りにあって、誰か耳元ではあはあ言ってんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・」

どぎゃーーーーーーん!

ほらね。やっぱりでしょ。やっぱり出るんですよ。
だってぼくのときとおんなじだもんね。
どぎゃーーーーーーん!
もう1回言っとこ。
どぎゃーーーーーーん!ははは、3回も言ったった。

「やっぱ出た?」
「やっぱって、本当に出んのか?・・・そんなら、先に言ってくれよ!」
「耳元ではあはあ聞こえるけど、俺の寝息はちゃんと別に聞こえてたんだろ」
「そう!そのとおり!あー、やっぱり気のせいじゃなかったんか・・・」
「ずっと黙ってたけど、俺も最初の晩に聞こえたんだよ。でも気のせいじゃないかって思ってたんだけど、そうか、やっぱり気のせいじゃなかったんだ。はっはっは」
「はははじゃないよ。 おいおい、先に言っとけよ。もうこの家にゃ泊まらねえ」

もう1年近くもこの家で寝起きしていたので、今さら本当に出るんだということが証明されても特に怖いとは思わなかった。逆に笑っちゃったくらいだ。 だけどしかし!!その日の晩は明かりは消さずに眠りました。 このビビリもんが!


と、まあこういうお話です。
これはけして作り話ではありませんよ。演出はあっても嘘はありません。大袈裟な表現はあっても嘘はありません。たしかに出るらしいけれど、これといった危害を加えるでもなし、別段変わったこともなかったと言えばなかったんですが、ただなんとなくこの家は居心地が悪かった。あの部屋にいると、なんとなくいつも気だるい感じになっていた。湿気もすごいし。いつも部屋のあちこちに除湿ポットを置いていたけれどそれらはすぐに水がいっぱい溜まってしまっていた。あと、ゴキブリもいっぱい出たし。

おばけが出るってことが直接の原因ではなかったんだけれど、やはりなんとなく居心地が悪いということでここに住んでいたのは1年ちょっとだった。だからあまりというか、ほとんどあの家には愛着がない。得したことは話のタネが増えたことくらいかな。

だけどこの話をすると、かえってくる反応は決まって
「ヒヒヒ、なんだよ、誰かいい人でも隣にいたんじゃねえのか」

これだ。
もうその反応はやめてくれ!
どいつもこいつもドイツ人だ。←意味なし。(古典的)
今この話を読んでいてそう思った人もいっぱいいるはず。
もうもうもう、本当に出たんですからね。
どぎゃーーーーーーん


こんなかんじですか

 

さてさて、いよいよ東京小旅行の巻も次の千歳烏山編を残すのみとな りました。今度は一気にグレードアップして風呂付のハイツです。その名もガーデンハイツ。やったぜヤスジ!レッツ・ゴー!→→




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