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店長裏話
キツキツ (2002.3.25UP)

よくうちに来てくれるお客さんなんだけど、その人も最近インターネットを始めたらしくて、これからホームページを作って自分の蔵書(主に漫画)の目録販売をやりたいという。

うちの店に来はじめた頃は、なんとなく無愛想でとっつきにくい感じの人だったんだけど、その人がうちのお店のHPを見たようで、それからはHP作りのアドバイスを求められるようになったりして、けっこう会話を交わすようになった。

普段はごく普通のサラリーマンということだけど、あちこちの古本屋を回っていろいろと買い集めている古本マニアらしい。といってもその買い方を見ていると、どうやらまだその道に精通しているふうではなくて、とりあえず珍しそうなものを手当たり次第に買ってるって感じみたい。そうやって買い集めたものを今度は売り出そうということらしい。

うーん、きびしいんじゃないかな。モノがたいしたモノでもないようだし、本当にまだネットビギナーって感じだから苦労すると思うけど、「ネット販売もそう楽なもんじゃないですよ」ぐらいしか言えないもんね。とはいえ、とりあえずやってみることも大切だからね。やってるうちにコツもわかってくるってもんだ。それまでに大損するかもしれないけど、それも授業料って考えればいいんじゃないかな。大損も何も訪問者獲得も厳しいかもしれないけど。

それはともかく、今日もその人がやってきてちょっと話をしたんだけど、そのうちこんな失礼なこと言うんだよ。それをみんなにも聞いてほしくて今日はこんなこと書いてるってわけ。以下その会話の一部。

客「おやすみは月曜だけなんですか?」
私「ええ、そうですよ」
「祭日とかも休みなく?」
「そうです。月曜日が祝日と重なってる時は月曜も営業してますよ」
「えー、たいへんだなー。こんなこと聞いちゃなんですけど、ここはチェーン店かなんかですか」
「いえ、個人経営のお店ですよ」
「そうですよね、いつもおひとりで。人雇ったりすればいいのに」
「いやー、人雇っちゃったらこっちの取り分がなくなっちゃいますよ」
「ええっ、そんなキツキツなんですか!」
「まあ、キツキツと言われるとちょっとつらいとこですけど…」

ずかずか君だね。土足でずかずか上がりこんでくるようなこの神経。オイオイだ。こっちは謙遜して言っとんねん。日本人の奥ゆかしさじゃ。ま、たしかにキツキツだけどさ。なんか面と向かって言われるとカチンと来るね。悪気はないのがわかるから怒るに怒れないけど。まあいいや。今日も本買ってってくれたし。

でもネット販売やりたいならもっと相手の気持ちを察するようにならなきゃだめだと思うよ。顔は見えなくても接客商売なんだから、お客さんの立場にたって物事考えられるようにならなきゃね。なんてぼくも偉そうなことは言えないかも知れないけど、HPつくる前に接客の勉強した方がいいんじゃないかな。ま、これも経験でおぼえていくというのもいいかもしれないけど、経験の対象にされるお客さんはたまったもんじゃないかな。

ネット販売業界の印象を悪くされちゃうからやっぱり顔洗って出直してもらった方がいいかな。なんて、きつい言い方してごめんごめん。こんなことは本人に直接言ってあげた方がいいんだろうけど、そこまでアドバイスしてあげる仲でもないからそんなこと言うと逆に嫌がられるだろうね。ま、あまり深入りしないようにしとこ。

こんなことがありましたってとこで、またお会いしましょう。


THE END

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