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あなた何様?〜検問の思い出〜 (2003.11.21UP) 今から6年位前になるでしょうか、その頃ぼくは江戸川区のM町というところに住んでいて、自分が経営するお店のあるK町までは5キロほどの道のりを毎日400ccのバイクに乗って通っていました。だいたい15分くらいの道のりです。 その途中に消防署があって、その前の道は検問のポイントでした。ちょくちょくそこで飲酒の取締りをしていました。夜中12時過ぎにやっていることが多いので帰宅の時間と重なることが多く、何度か飲酒の検問とは遭遇しました。もちろん仕事帰りに酒なんか飲んでいるわけもないのでいつもあっさりパスしていました。 初めてその検問でとめられた時には「すみませーん、飲酒の検問です。ハァーっと息を吹きかけてください」と警官からを口元へ差し出されたアルコール測定器へ向かって「あー、あー、あー」と思わずマイクチェックをしてしまいました。「あ、いや、ハァーっと・・・」よくあることなのか警官もしらけた顔で冷静でした。別に受けようとしてやったわけではありませんが・・・。 その後2、3回検問に遭遇しましたが、もうすっかり慣れっこになっていて毎回「ハァー」と一発クリアです。 それは何度目のことだったでしょうか、その日また検問をやっていました。お、またやってるなと思いながら前の自動車のあとに並んで自分の順番が回ってくるのを待っていました。さて自分の番が回ってきました。 また「あーあーあー」なんて言わないように注意しなきゃなと思いながら警官の対応を待っていると、いきなりです。 「ちょっとこっち寄せて」 五十がらみのおっさん警官はぼくが乗っているバイクを路肩へ寄せるように命じました。なんで寄せなきゃいけないんだよ、ハァーとやるだけだろうが、と不満に思いながらも言われるがまま路肩へ寄せました。 「免許!免許出して」 有無を言わさぬ高飛車な態度です。 なんだよ、いきなりそれかい!不満は今にも爆発しそうでしたが、そこはぐっとこらえて、むすっとした顔のまま無言で免許証を渡しました。ほかの自動車の運転手はみんなハァーっとやっていましたから、もちろんその検問は飲酒の検問に間違いありません。 おっさん警官は免許証を見ながら偉そうに話し掛けてきます。 「お、すごいねぇ、(スキンヘッドの免許証写真を見た反応と思われる) ふーん、杉並から来てんの?」 江戸川区のM町へ引っ越す前は杉並区に住んでいたので免許証の表書きはその杉並の住所になっていて、それを見ながら警官が話し掛けているのでした。もちろん裏側にはちゃんと新しい住所も書き込まれていましたが、ド偉そうな警官とは口をきく気もしなかったので黙っていました。警官は構わず話し続けます。 「D橋町か・・、あそこに桜並木あったよね。あれはきれいだよね。あれ?ちがった?たしかあったよね。あれ?それはS上水町だったっけ?わたしの息子があっちの方に住んでるから行った事あるよ。あっちのほうのことも結構知ってんだよね」 ぼくはずっと黙っていましたが警官はどうでもいいようなことをしゃべり終わるとぼくに免許証を返しながら「はい、じゃ、気をつけて」と言ってそのまま行かせようとしました。ここでぼくは初めて口を開きました。 「なんなの?」 「え?」 「なんか問題あったわけ?」 「あー、飲酒飲酒、飲酒の検問」 「それならそうと初めから言ってくれなきゃわかんないじゃん。なにいきなり免許って」 「あー、けっこういるんだよ、ひっかかってんの。どうかな、一晩で10人やそこらはいるよ」 すっとぼけた返答です。 「初めに飲酒の検問やってますって言うのが普通じゃないの?いきなり免許出せなんて言われて何事かと思ったよ」 「あー・・・」 返す言葉がないのか探しているのか、やっぱりすっとぼけてそっぽを向いたりしています。そのうちぼくとおっさん警官がもめていることに気がついた若い警官が4,5人集まってきました。ぼくは長居は無用と思い 「しっかり仕事しろよ!」 とおっさん警官に言い放ってその場を立ち去りましたが、そんな捨て台詞みたいな言葉を残したってちっとも腹の虫は収まりません。まったくもって何年たっても思い返すたびにムカムカする出来事です。 いきなりそんな扱いを受けるほど自分の人相は悪くないと思うのですが、どうなんでしょうか。バイクだって全然ノーマルだし。赤のペイズリー柄のシャツがおっさん警官には刺激的過ぎたのかな?なんて笑って済ませられんですよ。まったくもうもう。 THE END 類似思い出話 |