No.282の記事
カミナリ店長の事件簿・上編
2007年12月01日(土)


こんにちは、ちあきなおみです。・・・なんでやねえええん。いやー、最近ちあきなおみの喝采にハマってましてね。この前ちあきなおみのCDが買取で入ってきたもんで、往年のヒット曲「喝采」が懐かしくてね、聴いてみたんだけど、この歳になってあらためて聴くとやっぱ違うもんだね。ええのおって何度も繰り返し聴いてるよ。CDは10曲入りなんだけど、やっぱ喝采は異彩を放ってるね。喝采しか聞いてないよ。
 
ちょっと調べてみたら喝采は1972年のレコード大賞だったんだって。へえー、ぼくちゃんお子様もいいとこだったのに、懐かしいと思えるとはやっぱりすごい曲なんだよ。テレビの前で、♪いっつものよぉおに幕ぅがあぁきい〜って振り付けを真似しながら歌ってた自分の姿がいまだ脳裏に浮かぶもん。
 
今回改めて聴いてみて気が付いたことには、歌いだしの部分っていうか、Aメロの部分が変なアレンジになってんだよね。シンコペーションって言うの?途中で表と裏が入れ替わっちゃう。おーっと、これは専門的な話ですぞ、ま細かい説明は省くとして、

いつものように幕が開き
恋の歌うたうわたしに
届いた報せは
黒いふちどりがありました


この「届いたー」って歌い出すところを半拍早く裏から入ってくる。よーわからんかのう?ま、そういうこと。なんでこんなアレンジ?ぼくは個人的にはこういうのってどうも好きじゃないんだよね。やっぱ気持ち悪いじゃん。でもクセになるとこの妙なズレ感がいいのかな?わしゃわからんよ。
 
そういや桃天ドラマーじゅげむ君はそういうのけっこう好きなんだよな。途中で一拍少なくしてみたり、途中で一小節だけテンポダウンさせてみたりってやりたがるんだけど、ぼくは「やっぱ普通にやった方がよくない?」って言ってそういうアレンジはけっこう却下してるよ。うっしっし。
 
 ■ ■ ■ ■ ■ 
 
カミナリ店長の事件簿・上編
 
前説がずいぶん長くなりましたが、マニアックな話はあさってにさておきまして、本日の本題です。今日はちょっとした事件がありましたよ。ま、例によって万引き事件なんだけどさ。けっこう久しぶりかな?まー頻繁に万引きされるほどお客さんこないし・・・ほっといてんか。ホッテントットはさておき、今日の万引き犯は小学生の3人組。ズッコケ3人組。小学6年生だって言ってたな。最初から危なげだったんだけどね。
 
なんだかちらちらとカメラの位置を気にしてるからこりゃ要注意だぞと思っていたら、アダルトコーナーを覗き込んでは騒いでたりしてるから、これは万引き狙いじゃなくてエロガキどもかな?と思って、とりあえず知らん顔してたら20分くらいで自転車に乗って帰っていったんでやれやれ、、、と思っていたら、またすぐに戻ってきた。しかも今度は3人のうちの2人が歩きでやってきた。自転車はどっかに置いてきたんだろう。あとの一人は見張り役か?
 
これは完全に万引きしようとしてるなと察したんだけど、実行する前に注意するなんて事はしないよ。前はそうやって犯行に及ぶ前に阻止していたこともあるけど、それだと今この場ではやらなくても、すぐにほかへ行ってやっちゃうもんね。大人は別として、子供の場合は、現場を抑えてお仕置きした方が後々本人のためにもなると考え直したから、このごろは危ないと分かっててもしらーん顔してるよ。そしたら案の定、マンガ2冊を腹に隠して出て行った。
 
すぐに追いかけたら、3人はぼくが追ってきたことには気付かずに、大成功とばかりに嬉々として自転車で走り去ろうとしているところ。気付かれて猛ダッシュされたら逃げられるところだったかもしれないけど、ぎりぎりで一番ケツを走っていた少年に追いついて、「ちょっとまて」って後ろからジャケットの襟首を捕まえてやったらびっくりして自転車は倒れるし、あわわわって感じで泡食ってる。
 
「ぼくじゃないです。ぼくやってないです」
「いいからこい」
 
ぼくは倒れた自転車を起こして片手で引っ張りながら、もう片方の手で少年の襟首を捕まえたまま店まで連れもどした。
 
「ぼくじゃないですぼくじゃないです」
「おまえじゃなくてもいいんだよ、一人捕まえとけばみんな戻ってくるだろ」
 
そしたらやっぱり友だちは見捨てられないようで、ほかの二人もすぐに戻ってきて、そのうちの一人がどこで覚えたのか、いきなり店の入口のところでガバッと土下座して「すみませんすみません、どうかどうか、親にだけは連絡しないでください。あ、あ、そして警察にも連絡しないでください!」って嘆願し始めた。そしたらそれにつられてほかの二人もガバッと土下座して3人そろって「すいませんすいません」ってやってる。わしゃ水戸黄門かっ。余計なことすんなよな、こっちが恥ずかしいわい。通りかかったおっさんは「ははーん、おまえら万引きしたな」なんて言ってるし。
 
「いいから早く立て」
「すいませんすいません」
「早くこっちこいっ」
 
ぼくは逃げるようにして店に入ったら少年たちも入ってきて、店の中でまたガバッと土下座して「親にだけは言わないでください。すいませんすいません」ってワーワーうるさいのなんの。ほかに客がいなかったからよかったものの、そんなことされたら逆に気分悪いわ。
 
「もーうるさい!いいから立て。親に連絡しないわけないだろ。親に連絡して親から注意してもらわなきゃ、おまえら立ち直れないだろうが。よし、名前と電話番号をこれに書いて」
 
と言ってメモ用紙とボールペンをその土下座第一号に渡したらヒックヒック泣き出してる。ぼくはお構いなしに「ほら、早く書いて。名前と電話番号な」って言ったらヒックヒック言いながら書こうとしてるんだけど、手がガクガク震えてて全然書けてない。ほら、ニュースの映像で見たことがある人もいると思うけど、国会の証人喚問で誓約書かなんかにサインするときに、緊張のあまり手が震えて書けなかった人いたでしょ?あんな感じのもっと大げさな震え。
 
こいつマジかよ・・・ってかわいそうと言うよりもなんだかわざとらしい感じがして、「じゃあいいよ、紙こっち返して」ってメモを取り返したらかろうじて名前は書いてあった。
 
「西城ヒデキ(仮名)君ね。はい、じゃあ電話番号。早く言って。よし。次、キミ。名前は?野口ゴロウ(仮名)?はい、じゃ電話番号。はいキミは?郷ヒロミ(仮名)君ね。はい電話番号」
「569・・・、、あ、579・・だったかな?」
「おい、うそ言ってんじゃないだろうな。うそついたらえらい目にあうぞ。わかってんだろうなっ」
 
ガツンと脅しをかけると、西城君が割って入ってきて、
 
「すいません!うそです!すいません!」
「あ?西城ヒデキってのがうそなのか?」
「はいすいません!」
 
おいおい、、、あの土下座、あの泣きじゃくりまで見せといて、ここに来てうそつくか?何考えとんねん・・・パシッ!!
 
いやー気合入れてやりましたよ。猪木ボンバイエもびっくりだね。と言ってもかるーくね。ほっぺにとまった蚊を叩くくらいの軽さでパシッっとビンタ一発ね。そしたらその子が言うには、「すいません!ぼく悪いことしたんだから、こんなことされても当然です!」だって。
 
オイオイ、こんなことって・・・今の社会を象徴している台詞だね。体罰禁止だのなんだのって甘っちょろいこと言ってるから、悪いことしてちょっとビンタ食らったくらいで「こんなこと」なんだもん。学校の先生も大変やのお。
 
「なにがこんなことだっ。当たり前のことだろ」
「はいすいません!」
「なんだ、さっきのおびえた様子も全部演技か?」
「いえ、あれは本当です!」
 
漫才かっ。あれは本当ですって・・・おもわず笑いそうになったぜよ。
 
「よし、じゃあちゃんと教えろ。名前は?電話もうそ?今度はうそじゃないだろうな、おまえは?おまえもうそか、なんだ全部うそじゃねーか!」
 
結局3人とも名前も電話番号もうそだった。ここに来てそんなうそついてバレないと思ってるところがやっぱ子供なんかね?そんなこんなでようやく名前と電話番号を聞き出したんで、親へ電話をしようと思うんだけど、3人とも共犯で誰が主犯とは決めがたい状況だったんでどうしようかと思って、「じゃあ家に電話するけど、この中で代表してうちに電話をしてもいいと言うやついるか?」と聞いてみると、その演技派西城君が躊躇しながらも手をあげて、「ぼくのところでいいです。悪いことしたんだから当然のことです」と勇気ある行動に出た。おー、なかなかえーやっちゃなとちょっと感心しつつ電話してみると留守電になってた・・・。
 
 
 
おっと、そろそろ閉店のお時間です。
続きはまた後日・・・
すいませんすいません、これは本当です!
 
 
じゃまた。
本当に続きはすぐに書きますからっ。
猪木!ボンバイエ!
 
 「カミナリ店長の事件簿・中編」
 
 
 

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