No.285の記事
カミナリ店長の事件簿・中編
2007年12月04日(火)


きのうの日韓戦の野球は面白かった。最近野球にはまったく興味の失せていたぼくでも手に汗握って見てたよ。やっぱり見たいのは真剣勝負だ。もちろんペナントレースも真剣勝負なんだろうけど、やっぱ違うよね。あのプロの一流選手たちがまるで高校球児のようにがむしゃらにやっている姿にはぐっときたよ。野球にまったく興味のない人にとっては野球中継延長によってせっかく楽しみにしていた日曜洋画劇場とかその後の番組が中止になって不愉快だったとは思うけど、試合終了まで完全中継したテレ朝エライぞ、とぼくは支持したい。
 
試合開始前の国家斉唱から見てたけど、その場面を見た時点でこれは日本が勝つかもしれないぞって思ったよ。というのは、両国国歌が日本、韓国の順に流された時に、日本チームは全員ごっつり気合の入った顔で映ってたんだけど、韓国チームの何人かは自分の国の国歌が流れているときに別のことに気をそらせて笑ってた。「絶対勝つ度」ではまずは日本が勝ってるなってそのとき思ったら案の定、その微妙な違いが示していたとおり、微妙な差で日本が勝てたもんね。まあ結果論ではあるけどさ。惜しむらくは、日本選手たちは誰も君が代をうたっていなかったこと。大きな声でうたって欲しいところだね。ま、賛否あるだろうけど。
 
とは言え、本当に白熱したいい試合だった。星野監督も「もういやだね、こんな試合」と言っていたように、心臓に悪いくらいに緊張感の張り詰めたいい試合だったよ。この「もういやだね、こんな試合」って台詞は試合直後のインタビューで星野監督が言っててぼくも生で聞いてたんだけど、もちろんいかにすばらしい試合だったかを絶賛した台詞なわけだけど、さっき見たどっかのニュース記事では「試合開始直前にオーダーを変えてくるようなズルいことをするこんな試合はもういやだね」と星野監督が言っていたかのようなニュアンスで伝えてた。たしかにそういう事実はあったけど、それとこれとは別の話でしょっての。その記事を書いた記者は意図的にそういう風に書いたのか、本当にそういう意味で星野監督の言葉を捉えたピント外れ人間なのかはわからないけど、マスコミって怖いね。
 
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さてさて、相変わらず前説が長くなりましたが、本日の本題いっときます。先日の続きで「カミナリ店長の事件簿・中編」です。もしもまだ上編を読んでいない方はぜひ上編から読んでいただきたいところ。上編はこちら。
 
そう言えば、続き物のマンガを買いにくるお客さんで、なぜかばらばらに買っていくお客さんがいるんだけど、なんでそんな買い方?たとえば全20巻のマンガがあったとして、毎日少しずつ買って読むという場合は第1巻から順番に買っていくのが普通と言うか当然でしょ?それがその人は今日は10巻と14巻、次の日は3巻と9巻という具合にランダムに買っていくんだよね。そのマンガはどこから読んでもOKの読みきり物じゃなくてストーリー物だというのにだよ。そして最終的には全巻そろえちゃう。うーん謎。わけわからん。なぞなぞ君か?誰やねん。おっと、また話がそれた。では本編スタート!
 
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カミナリ店長の事件簿・中編
 
「ぼくのうちに電話をかけてもらってもいいです」と申し出た西城君だったけれど、電話をしてみると留守電になっていた。
 
「留守電になってるね」
「あ、じゃあ出かけちゃってるんだ」
「うーん、それじゃあしかたない。野口君のところはどうだ?」
「うち共稼ぎなんで、今いないです」
「郷君のとこは誰かいるか?」
「・・・はい、いる、と思います」
「じゃあキミんとこ電話するからね。いいね」
「・・・はい、いいです」
 
(筆者注:最初に聞きだした名前、西城、野口、郷はうそだったわけですが、便宜上ここではその名前のまま話を進めます。)
 
というわけで郷ヒロミ君のところへ電話をするとお母さんが出た。
 
「こちら隣町のブックスヤスジと申しますけど、えー、息子さんのヒロミ君ですか?まあそのー、万引きをしましてですね、三人でやったんですけど、一人は西城君って子、もう一人が野口君、そしてヒロミ君の三人で、ですね。まあ誰がと言うか、共謀ですね。そういうわけで電話させてもらった次第なんですけど、え?警察と学校に連絡?ま、まだ小学生ですから、警察に連絡しようとは思ってませんから、このまま帰しますんで、ほかの子たちの親御さんともそちらで連絡を取り合ってもらってですね、今後こういうことのないようにそちらでしっかり注意してもらえばいいですから。はい、はいはい、では失礼します」
 
お母さんは動揺しているのか、「うちの子はやったんでしょうか?」とか「警察と学校へはもう連絡したんでしょうか?」とか、なんだかいまいちマト外れな対応だった。それでも最後には「すみませんでした。厳しく言い聞かせますんで、ほんとに申し訳ありません」って恐縮してた。
 
「よし、それじゃあもう行ってもいいぞ。これで懲りたろ。二度とすんなよ」と送り出そうとすると、演技派西城君は「ああ、ありがとうございます。はい懲りました。もう二度といたしません。ありがとうございますありがとうございます」とまたもや土下座しそうな勢いだったんで、「よしいいよ、さあもう行け。二度とすんな」となかば強引に押し出すようにして帰したんだけど、西城君の立ち去った後には涙がボトボト落ちてて床が濡れちゃってた。
 
西城君の勢いにつられてほかの子たちもみんな泣いてたって感じだったけど、親が共稼ぎと言った野口君は、ほかの二人が泣いてるんだからオレも泣いとかなきゃカッコつかないぞって感じがミエミエだったな。涙も出てなかったし。おまえは松田聖子かっ。てそんな古いネタはオッサンオバチャンしか分からんか・・・。
 
聖子ちゃんはさておき、この子はどーも天然ボケっぽかった。一人ずつ名前と電話番号を聞いていったときに、この子だけがなぜか途中でニヤケたんだよね。それでぼくは「おまえなに笑ってんだよ」てパシッと「欧米かっ」みたいな感じで頭をハタいてやったんだけど、後になって思えば、先に名前を答えた西城君がうそついてたんでニヤケたんだね。先に西城君がうその名前を答えたもんだからあとの二人もみんなうそをついたってところだろう。演技派西城恐るべし。
 
 
子供たちを帰したのが5時頃だったんだけど、7時頃になって野口君がお母さんと一緒にやってきた。先に共稼ぎと聞いていたからかもしれないけど、いかにも頑張ってますって感じの誠実そうなお母さんで、仕事を終えて駆けつけたって感じだった。こんなにいいお母さんなのに、、、ってちょっと痛々しいほどだったな。
 
「このたびはうちの息子が、ほんとにご迷惑をおかけしまして、申し訳ありませんでした。ほんとにもう、なんと言ったらいいのか、、ほらっ、あんたもちゃんと謝んなさい!」ってぐっと息子の頭を押さえつけてる。
 
「いや、わざわざ来ていただいてすいません。三人でやったんですけどね、とりあえず親から注意してもらった方がいいだろうと思って連絡させてもらった次第でして、ま、これで大丈夫だと思いますから。もう二度とすることもないでしょう」
「ありがとうございます。ねっ、もう二度としないね。絶対よ、ちゃんと誓って!」
「二度としません」
「ほんとにすみませんでした。これ、少しなんですけど、どうか、、、」
 
お母さんはそう言って文明堂の紙袋を差し出したので、「あら、こんなことしてもらっちゃ逆にこっちが申し訳ない感じですけど・・・」と言いながらもしっかりと受け取った。本当にそんなものは別に期待してなかったんだけど、遠慮して受け取らない方が失礼だからね。
 
文明堂といえばもちろんカステラなんだけど、後でちょっと調べてみたらかなり高級なやつだった。調べるなんていやらしいけど、いくらぐらいするもんだろうってやっぱ気になるでしょ。今はネットでそういうことがすぐに調べられるから便利と言うか不便と言うか、とにかく普段は口にすることはない高級カステラをいただきました。ええお母さんやのお。息子よお母さんを大切にな。
 
 
さて、そして次の日の午後、今度は演技派西城君がお母さんといっしょにやってきた。一緒に入ってくるのが入口のカメラに映ってたから「来たな」ってのはすぐに分かったんだけど、まずはお母さんだけがレジのところまで来て息子は棚の影の死角にいたから、こっちは気が付かない振りをして「いらっしゃいませ」と声をかけた。と言うのも、お母さんはレジのところまで来たはいいけれど何も言わないから。普通は「きのう息子が・・・」とかって真っ先に言ってくるもんでしょ?それがなんだかこっちの様子をうかがっているというか、えーっと、、、みたいに用件を切り出さずに妙な間があいていた。
 
「いらっしゃいませ」
「あのー、きのう息子が・・・」
「あーはいはい、これはどうも」
 
すると息子も死角から見えるところへでてきたんで、お母さんは真っ先にお詫びを述べるのかと思ったら、また妙な間があいた。あれ?なんかヤな感じだなーと思いつつ、こっちはその間が気持ち悪かったんで先に口を開いた。「三人でやったんですけどね、親の方から注意してもらわないといけないだろうと思って連絡させてもらった次第でして」と、きのう野口君のお母さんに言ったのと同じことを言うと、「それで、うちの子はやってないって言うんですよ。外で待ってたらしいんです・・・」
 
ポチン、、、 
ぼくの頭の中で細い糸の切れる音が確かに聞こえた・・・。
 
 
 
おおーーーっと、電車が参りました。
もう帰んなきゃ終電逃しちゃうよ。
 
いやー、ほんとは前編と後編で終わろうと思ってたんだけど、もう少し続きそうなんで、今日の分は急きょ中編に変更です。続きの下編はまた後日。おいおい、、なんで連載しとんねん・・・。まいいやね。
 
ありがたいことにこのブログを読むのを楽しみにしていると言ってくださる方もいらっしゃるので、創作意欲が湧いてくるんですよねー。このところけっこう更新頻度が高いっしょ。ヤスジもおだてりゃ木の実ナナってとこですか?なんやわからんけど、コメント書き込みしてくださる方々ありがとうございます。ハゲになります。実になります。励みになります。レスなしで申し訳ないスけど・・・
 
と言っているうちに日付も変わって、最初の方に書いた野球の日韓戦のことはもうおとといの話になっちゃったな。きのうは台湾戦だったけど、これもいい試合だった。やっぱ見たいのは真剣勝負だよね。7回で日本が大量リードしてからはほぼ勝敗は決まったからあんまり面白くなくなっちゃったけど、まあオリンピック出場が決まってよかったよかった。またこの感動的な試合を見られるのはうれしいことだ。
 
野球もサッカーみたいに最終目標は日本代表に選ばれることみたいになればいいのにと思うけど、どうなのかな?松坂も松井もイチローも国際試合には日本代表として参加して欲しいよ。まあ野球を盛んにやってる国自体が少ないから、国際試合といっても結局こじんまりとした大会にしかならないのかもしれないな。
 
 
と、無駄話はダラダラと続いてしまうので、本日はこれまで。
また近々。謝謝。シェーシェーざんす。